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木材製品について

植林から納品まで、木が工務店様の手に届くまでの道のり。 そのさまざまな工程をご紹介しています。

STEP1 木の赤ちゃん「苗木」の植林 「植林」とひとことで言っても、ただ木を植えるだけでなく、植林した後にはたくさんの工程があります。 まずは植林の準備。落ちている枝や葉や雑草を取り除いて、まずは苗木を植えやすい土壌づくりをします。そうして整えた土壌に杉やヒノキの苗木を1本1本植えていきます。植えた後、苗木のまわりには雑草がたくさん生えてきます。光をさえぎり、養分を奪う雑草はしっかりと刈り取らなければなりません。良質な木に育てるために手入れを欠かすことはできません。

STEP2 価値の高い良質な木をつくる森林の保育とは? 植えた木がある程度の大きさになってくると、木の数を減らすために木を切る「間伐」を行います。若木を切るなんて!?と思われるかもしれませんが、間伐は健全な森をつくるためにとても重要なこと。間伐をせずに木が育つと、地表や他の木に光が十分届かずに成長に必要な養分が足りなくなってしまったり、木の間隔が近すぎてのびのびと育たなかったりするのです。これを防ぐため、立派な木に育てるためには、定期的に間伐を行う必要があるのです。 また、木の下の方の枝を切る「枝打ち」も価値の高い良質な木材をつくるには欠かせない手入れのひとつ。木を製材したとき、もともと枝があったところは「節」として現れますが、節が多いと木の価値が下がってしまいます。枝打ちを定期的に継続的に行うことで節が少なくまっすぐで良質な木に育つのです。

STEP3 立派に育ったら、いよいよ伐採! 大きく立派に育った木は、木こりさんの手で伐採されます。そしてその後、すぐに製材するのではなく、木に枝葉をつけたまま数ヶ月間山に放置し、枝や葉を枯らす「葉枯らし」を行います。葉枯らしは材質の低下を防ぐだけでなく、木を乾燥させて重量を軽くし、運搬コストを下げるためにも重要な工程。葉枯らしが終わると、伐採された丸太はある程度の大きさに切られ、トラックなどに乗せられて製材工場に運ばれていきます。

STEP4 丸太を見極め、用途や等級ごとに選別。そして製材へ 伐採されて製材工場に運ばれた丸太は、その形や節などの特徴を見極めて「芯持ち材用」や「芯さり材用」などに選別します。納品の予定が多いときには、こうして選別された丸太の山が製材工場の敷地のあちこちに積み上げられています。 いざ注文が入ると、選別された丸太の中から注文に適した丸太を選び抜き、大きな皮むき機で丸太の皮を剥いて製材の準備に入るのです。大きな丸太がごろごろと転がりながら皮をむかれる様子はすごい迫力で、製材工場でしか見られない光景です!

STEP5 製品の良否はこれで決まる「丸太挽き」とは? 皮をむかれた丸太は、いよいよ製材の工程に入っていきます。まずは、ひとつの丸太をどの部材として、どれくらいの大きさにカットするのか、少しでもムダなく製材するために必要な「木取り」を行います。 そして、その木取りを頭に叩き込んだ職人の手によって「台車」と呼ばれる丸太を挽く大きな機械を使って一気に木取りで描いた大きさにカットしていきます。この「丸太挽き」が製品の良否を決めると言っても過言ではないほど、経験と勘が必要な職人技なのです。

STEP6 必要な部材ごとに仕上げの大きさに製材していく 木取りで描いた大きさにカットされた木は、その後さらに部材ごとの仕上げ寸法に製材していきます。1本1本の木目やアテ曲がりを読み、節を避けたりしながら修整していかなければならず、ここでも職人技が光ります。

STEP7 狂いの少ない木材をつくるために木材を乾燥させます 必要な大きさに製材された木々は乾燥の工程に入ります。 木材に含まれる水分を含水率(%)と言いますが、挽きたての木は山で葉枯らし乾燥をしていても60〜80%もの水分を含んでいるのです。浅積みをして風通をよくし、ゆっくりと時間をかけて、木材として使える含水率まで木を乾燥させます。 造作材などは割れを少なくするために屋内の日陰で。構造材は3か月〜半年ほど屋外で乾燥させます。屋外で乾燥させることで杉の赤身の渋が抜け、赤身がひきたつのです。天然乾燥以外にも人口乾燥(ドライングセット)という乾燥方法もあります。

STEP8 製品に加工・ご注文に応じてプレカットもできます 乾燥によって曲がりや反りを直す「集成挽き」が必要なものは、製材機で擦り直します。その後、化粧材はプレナー・モルダー加工で表面を研磨したり、継ぎ目を加工するなどの工程を経て仕上がります。 さらに、ご注文によってプレカットが必要な場合は森林組合プレカット工場でプレカットを行います。ひと昔前、木材同士の接合部分などは現場の職人さんが手刻みで行うのが一般的でしたが、最近では設計図をコンピュータに取り込んで機械を用いた精密なプレカットができるようになりました。

STEP9 検品・包装をしてご発送 すべての工程を終えた製品は、検品・包装してトラックに乗せられ、お客様の元へと出荷されていきます。その香りや手触りに、きっと喜んでいただけると想像しながら、製品を届けすることが私たち丸志木材の仕事です。

なぜ木を「乾燥」させなければいけないの?

製材の工程で大切な木の乾燥。文字どおり水分をとばす工程ですが、なぜ木を乾燥させる必要があるのでしょうか?山に生えている木は、水を豊富に含んでいます。杉やヒノキでは本来の重さに対して含水率200%のものも。これに対して、木建築資材として使われる木材の多くは含水率20%まで乾燥させた乾燥材です。
例えば、乾燥をさせないで建築を進めてしまった場合でも、木材は徐々に乾燥していきます。乾燥が進むと、木材は縮んでしまい、変形してしまうことが多々あります。しっかり乾燥されていない木材を使って家を建ててしまうと、木材の変形によって家の構造全体に歪みがでてしまう可能性があるのです。そのため、住宅資材として使う木材はしっかりと乾燥させた木材でなければならないのです。

乾燥には大きく分けて「天然乾燥」と「人口乾燥」の2種類があります。天然乾燥とはその名のとおり、自然状態で行う乾燥。天然乾燥を行った木材は「天乾材」や「AD(NB)材」と呼ばれます。これに対して人口乾燥は木材を乾燥庫に入れて、湿度等をコントロールして、適切な乾燥を短期間で行うものです。「人乾材」や「KD材」と呼ばれます。

天竜材のこと、木材の仕入れのこと、国産材の家づくりのことなど、どなたでもお気軽に