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天竜材とは

丸志木材が扱う天竜材。どうして日本三大美林と呼ばれるようになったのでしょうか? 「天竜材」として親しまれるようになるまでのルーツをひも解いてみました。

「日本三大人工美林」ってご存知ですか?

日本と天竜の森林面積

静岡県の天竜は奈良県の吉野、三重県の尾鷲と並んで「日本三大人工美林」に数えられていますが「そもそも日本三大人工美林ってなに?」という方も多いのではないでしょうか。

人工林とは、“木材として使うために植林された森”です。意外にも、木材として使われる杉やヒノキは天然の森にはあまり多くないのです。そのため、たくさんの地域で木材として使うための森が育てられています。その中でも特に美しい人工林のトップ3が「日本三大人工美林」と呼ばれるようになりました。

美しい森になるためには、定期的な植林や間伐、伐採をして、手入れの行き届いた森の管理を続けていく事が必要不可欠です。

天竜が日本三大人工美林と呼ばれるようになったのも、長い歴史の中でたくさんの人の手によって苦労をかけて育てられた森だからこそ、強く美しい天竜材として親しまれているのです。

500年以上前にはじまった格式高い天竜の森

天竜材の故郷である天竜の森のはじまりは、なんと500年以上も昔、文明年間(1469〜1487年)だったと言われています。春野町の秋葉神社の境内に植えられた林のことが文献に残っているそう。

江戸時代中期以降には林業家の青山善右衛門が創始した杮(こけら)板*という木材が、天竜川を下って遠く江戸に届けられ、江戸市場を独占したと伝えられています。

そして、明治時代には「暴れ天竜」として洪水などの水害で恐れられていた天竜川を治めるために、実業家の金原明善が川の上流に杉やヒノキの植林をはじめ、これが今の天竜林業の礎となりました。明治22年に日本国内初のパルプ工場が春野町に建設されたことでさらに木材の需要が増えて、林業が発達していったのです。

こんなにも長い歴史のある天竜の森。私たち丸志木材はこの歴史ある森に携わる会社として、森を守ってくことも大きな使命のひとつだと考えています。

*屋根をおおうために使われた薄い木材。木の小羽板。

いつから住宅資材として使われていたの?

長い歴史のある天竜の山でつくられた木材たち。
江戸時代中期には青山善衛門の「こけら板」が江戸市場を独占するほどの人気建材となっていたそう。ということは、この頃からすでに天竜の杉が住宅資材として使われ、天竜の人工林のベースができあがっていたということ。そしてその後、金原明善の植林活動のおかげで森はさらに美しく育ち、「日本三大人工美林のひとつ、静岡の天竜材」として知られるようにまでなりました。

天竜材が建築用木材として適しているのは“故郷の森が美しい”という理由だけではありません。耐水性、耐久性、強度の高さや美しい艶、芯材の丈夫さなど、住宅資材としてのメリットをたくさん持っています。この住宅資材としての評価があってこそ、天竜材の人気が高まり、山も成長して木々もより良く生まれ変わってきたのだと思います。単なるブランドだけではなく、住宅資材としておすすめできるしっかりとした理由があるからこそ、丸志木材は自信を持って天竜材をおすすめしております。

森の伐採=環境破壊?

「人間のために木を伐採するなんて自然破壊じゃないの?」と心配される方がいらっしゃいますが、それは違います。たしかに無計画な大量伐採は自然環境のサイクルがこわれてしまう大きな問題です。
ですが、伐採の中には「しなくてはならない伐採」があります。たとえばむやみやたらに木を増やしてしまうと、土が根でいっぱいになり、大地が枯れ、山全体が育たなくなってしまいます。こういったことのないように、邪魔になる根を切り、間伐をし、適切な伐採をすることで自然環境のバランスが保たれ、山が豊かになるのです。
国土の70%が森林で覆われている日本。以外と多い気がしませんか?なんと、そのうちの約60%が人工林なのです。実は日本には国産材として使われるべき森林がたくさんあるのに、木材輸入大国日本では国産材ではなく輸入材をたくさん使っているので、国内で伐採される木の多くが資材として使われないままになっているのが現状です。たくさんの人に国産材を使ってもらう事で人の生活も豊かになり、森の健康も保たれることを知っていただければ幸いです。

天竜材のこと、木材の仕入れのこと、国産材の家づくりのことなど、どなたでもお気軽に